“iSamepi”

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【歌詞考察】Let it goは怖い歌か??岡田斗司夫氏に反論するとしたら【日、英、仏、独】

岡田斗司夫氏が、「Let it goとは怖い歌である」とおっしゃってました。

 

要約すると、
1)日本語訳「ありのままで」は、翻訳ではなく替え歌である。
2)「雪が足跡を消していく」という表現は、人間世界で生きた痕跡を消していくメタファーである。
3)最初寒そうだったのに、途中でベールを脱ぎ、「少しも寒くないわ」に変化した。これはエルサが人間を辞めてモンスター化している証拠である。
4)Let it goとは、“ほんとにもうどうでもいい"という意味であり、ネガティブな歌である。
という主張です。

 

さて、この意見については、半々くらいで同意です。
1)同意
Show yourselfの考察でもわかったとおり、各国のエルサは微妙に違う歌を歌っています。
したがってこれは翻訳ではなく、替え歌です。翻訳なのであれば意味が変わらないようにしなければいけませんが、意味を変えて、その変えた意味が矛盾しないように全体の訳を調整していっています。

 

2)反対
人間世界で生きた痕跡を消したメタファーではないかなぁと思います。エルサにとって「人間世界で生きた痕跡」の最たるものはアナでは?
つまり本当に痕跡を消したいならば、アナをどうにかすべきと思います。
しかしここでは、その自分が人間である証左のアナに背を向けて、逃げるように自由を求めるエルサの行方をわからなくするために、自然物であるはずの雪がエルサの味方をしている、ということだと思います。
つまり自然はエルサの味方である=アナ雪2のフラグであったと考えられます。
自然は、エルサが人間であることを捨てるとき、味方になってくれます。アナ雪2でも、エルサが精霊として覚醒していく道のりで、自然(を司る精霊)と仲良くなっていきましたよね。
つまり、単純に精霊界に取り込まれつつあるエルサを表している描写で、メタファーと言えるほど隠喩でもなく、直接的な表現かなと思いました。

 

3)同意
2)から、「エルサは人間であることを捨てた」という点については同意です。この時点で人間であることを捨て、自分が知らないうちに精霊の力を解放させていっているシーンですね。
アナ雪2公開前に見抜いていた岡田斗司夫氏はさすがと言えます。

 

4)反対
Let it goは、たしかに「どうでもいい」というニュアンスです。
日本語訳のように「ありのまま」と言いたいのであれば、Let it beな感じがしませんか?
goを自分以外の主語で使う場合はaway的なニュアンスがあると思うので、「自分から離れていくものをそのまま行かせる」というイメージです。
したがって、「自分の人間性が無くなっていく/人間世界が遠くなっていくのを、そのままにしておこう」という意味であると考えられます。
しかし。
これはネガティブなバイアスがかかっている気がします。
「自分を縛り付けていた『いい子を維持するための手袋』『一国の王の象徴であるティアラとマント』『守らねばならぬ国民』から離れて、自由になる」というポジティブな歌なのでは??自由を謳歌したい歌なのでは??

こちらも他言語でどうなっているか見たほうがよさそうですね。